さくら市桜野は栃木県の中央部、県都宇都宮市街から北東に約20km、旧奥州街道沿いの集落である。奥州街道は今の国道4号線と異なり、宇都宮宿−白沢宿−氏家宿−喜蓮川宿−佐久山宿−大田原宿であった。 桜野村は江戸はじめ宇都宮藩領、寛延2年(1749)から下総国佐倉藩領、安永2年(1773)からは再び宇都宮藩領で明治を向かえる。佐倉藩領時代は陣屋が置かれていた。 村高は「慶安郷帳」235石余、「元禄郷帳」449石余、「天保郷帳」「旧高旧領」ともに505石余。人数は延享3年(1746)511、天明4年(1784)431、天保6年(1835)301。文化7年(1810)では家数68・人数307、馬25とあり、奥州街道沿いに3町30間に渡って宿家が続き、百姓の他に鍛冶屋1・染物屋2・大工1・桶屋2・綿打4・木挽2・小売酒屋4・酒造1などなどいろんな職種がいた。 幕末期には米穀問屋・酒屋・質・金融業のどの商人が台頭し、豪商に成長している。慶応4年(1868)には」過重な助郷負担と物価高騰に対する不満から、世直し一揆が発生し、これらの豪商が襲われている。 今、古い町並みは旧奥州街道に沿って展開している。町並は旧街道筋の両側に豪商の屋敷が連なっている状態で、長い塀に続いて巨大な門を備え、その奥に巨大で重厚な主屋を持つ家々が並んでいる。江戸末期の世直し一揆で襲われたであろう家々の連なる町並だった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和59年 日本の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1988年 |
桜野の町並 |
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