鯖江市吉江町は日野川支流の浅水川下流左岸、鯖江市街から北西に約4km程に位置する。 正保2年(1645)福井藩4代藩主松平光通の弟昌親が2万5千石を分知されて吉江藩が成立した。牛屋村・杉本村・西番村・米岡村の4ヶ村の畑地が召し上げられ 、当地に吉江館(陣屋)および侍屋敷・組屋敷が置かれたほか、新しく新町・西町・牛屋町・本町・東町・柳町の町人町が成立し、江戸期はこれらを総称して吉江町とよんだ。陣屋は牛屋村字東割に置かれた。その規模は東西100m・南北120mと推定されている。 延宝2年(1674)昌親が本藩福井藩の家督を相続することになり、僅か29年で吉江藩は廃藩となった。廃藩と同時に館・侍屋敷をはじめ、寺院なども福井城下へ移転し、跡地は耕地となり、街道筋の町人町が残ったが、福井藩から諸役を免除されるなどの保護を受け、この地方の在郷町として終始した。吉江町の文化13年(1816)の家数173・人数481であった。 明治初年吉江町の称はいったん消滅したが、明治7年牛屋町を除く旧五町でもって再び吉江町が成立した。 今、吉江町に古くからの伝統的な様式で建てられた家屋が点在している。統一された様式でないがこの地方の特徴ある妻の真壁を見せた家、切妻造り2階建て平入家屋の独特の袖壁をもつ家など多彩な様式の家屋が並ぶ。中には養蚕農家だったのか大きな気抜きの屋根を持った家屋も見られた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 1989年 福井県の地名 平凡社 下中邦彦 1981年 |
吉江町の町並 |
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