米沢市大沢は山形県の南東端、最上川上流の支流羽黒川の更に上流の左岸河岸段丘に位置する。 江戸期は米沢藩領。村高は「旧高旧領」246石余。寛文元年(1661)の人数改帳では山上村のうち「大沢」とみえ、人数265とある。 文化元年(1804)の上杉領村目録では山上村の四ヶ枝村の一つとして記載され、村高226石余、家数42・人数221、馬17・牛5とある。 板谷街道沿いの宿駅として栄えた。板谷街道宿役を勤めた斉藤家・佐藤家・宗川家などが扶持銀を与えられてた。安永年間(1772〜81)以降国産品奨励策により大沢村でも窯業が盛んに行われた。 板谷との間の板谷峠(標高755m)はそれほど高くは無いが、一度谷底に下ってから登るため非常に急峻な峠であった。 米沢市内より約10km程の所に位置する大沢集落は約20軒ほどある小さな集落だった。茅葺屋根の集落と云うことで訪ねたが、茅葺屋根の家屋は5〜6戸程しかなく、茅は取り除かれていたが朽ち果てた家屋や、無住になり屋根の茅が朽ちかけている家屋も見られ、廃村、また、限界集落という言葉が迫ってくるような町並探訪だった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和56年 山形県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1990年 |