福島県天栄村湯本は福島県南部、阿賀川(大川)の支流鵜沼川の渓谷盆地、奥羽山脈中の僅かな丘陵地。冬は豪雪に埋もれる。 江戸期はじめは会津藩領、寛永20年(1643)白河藩領、文化7年(1810)幕府領、のち白河藩領。 村高は文禄3年(1594)の蒲生高目録では250石余。白河古領村郷帳に村名が見え、高224石余。 岩瀬湯本温泉といわれ、「湯本温泉縁起」では1,000年前の開湯と伝える。 延享4年(1747)の湯元村品々書上帳によると家数54・人数403。地味の悪い寒村で、農間余業として男は鍬柄・馬鍬などを作った。 安永2年(1773)の白河郡村々によると家数77・人数390。文化3年(1806)の記録では家数45とある。 今、温泉街を歩くと、茅葺屋根の旅館が目立つ温泉街だ。かっては湯治場として賑わっていたようだが、今はそのような雰囲気はなく、田舎の鄙びた温泉地と云う感じである。 土産物屋が並んでいる訳でもなく、茅葺屋根の旅館が”茅葺だぞ”主張して町並を構成しているひっそりとした温泉地。共同浴場もあり、豊富なかけ流しのお湯だ。 旅館以外でも多くの家が茅葺の上にトタン覆いを被せている。トタンが被っていても茅葺屋根には変わりないので、このまま残してほしいもの。まあ鄙びた温泉地として推奨できるとの思いつつ岩瀬湯本温泉をあとにした。 角川日本地名大事典 角川書店 角川日本地名大事典編纂委員会 昭和56年 福島県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1993年 |
湯本の町並 |
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