白石市小原は宮城県南部、小原の南部で福島県と接し、阿武隈川の支流白石川の更に支流の戸沢川上流に位置する。 小原村の江戸時代は片倉氏領、村高は「元禄郷帳」516石余、「天保郷帳」597石余。 寛永19年(1642)惣検地の際の百姓人頭19、安永年間(1772〜81)には38、この他家中前170。家数79、これとは別に家中屋敷は250軒・百姓人数418・馬15・牛32とある。村内には上戸沢宿・下戸沢宿の七ヶ宿街道の宿駅がある。 下戸沢町は下戸沢宿で戸沢本町ともいう。七ヶ宿街道の宿駅の一つで、宿駅に定められた時期は明らかでないが、元和・寛永の頃まで遡ると思われる。宿の規模は寛文10年(1670)の書上げによると、宿の長さ3町35間。総家数74で、本陣・脇本陣、不断組2戸、村足軽37戸、百姓9戸、名子・借家4、明屋敷20とある。足軽は片倉家の村足軽を指すもので、国境警備の任にあたっていたものと思われる。 本陣は江戸中期以降検断高橋又六の家が使用され問屋も兼ねた。宿は北から南へ街道に沿って両側に民家が並び、中央部付近が鉤型に折れ曲がり、その折れ曲がった所に検断高橋家の屋敷があった。旅宿も幕末頃のによると8戸あるが、いずれも村足軽などの内職として行われたと思われる。 今、街道筋を歩くと、宿場町当時の町割りのまま残っているようだ。趣ある茅葺の家屋も残り、宿場町当時の面影を色濃く残した民家が建ち並び、なかなか見事な町並みを展開していた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和54年 宮城県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1987年 |
小原下戸沢の町並 |
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