二本松市油井は福島県中通り地方の中央やや北寄り、阿武隈川の左岸に位置する。 油井村の近世初めは会津領、寛永20年(1643)からは二本松藩領。奥州街道の宿駅であった。 宝永2年(1705)の検地高は本田高2,157石余、新田高969石余。延享4年(1747)の二本松領石高戸籍録によると、家数332、馬53。 宿駅油井町の町割りは遊佐家譜によると慶長10年(1605)とある。問屋は遊佐家が勤め、馬継ぎは上15日のみの片継ぎ(下15日は渋川村二本柳宿)。宿内の福岡町は元和6年(1620)に町割りされ、八軒町は慶安4年(1651)の町割りであるという。 問屋は油井に1軒、二本柳に2軒あり、二本柳宿と合わせての宿駅だったようだ。 文政11年(1828)の大積覚書帳によると、畑作物の割合は桑が2割5分、大豆・小豆・油荏が5割、ダイコン・蕎麦が2割5分となっている。その他の農間余業は茶屋商売、荷駄稼ぎ、萱・薪の生産があげられる。 明治22年の家数625・人数3,781とある。 国道4号線に並行して走る旧奥州街道に沿って古い形式の町家が点在している。高村光太郎の「智恵子抄」で知られる高村智恵子の生家 長沼家もその一つであり、内部を公開されていた。 角川日本地名大事典 角川書店 角川日本地名大事典編纂委員会 昭和56年 福島県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1993年 |
根崎2丁目の町並 |
油井馬出町の町並 |
油井馬出町の町並 |
油井漆原町の町並 |
油井八軒町の町並 |
亀谷一丁目の町並 |