喜多方には多くの土蔵が残されているが、喜多方の市街地だけでなく、遠く離れた周辺農村集落でも蔵が見られる。 まず、喜多方市岩月町入田付杉山は市街から約8km程北に位置する。寛文5年(1665)の「小田付組土地帳」によると家数19軒・人数99人である。新編会津風土記によると18軒である。そして杉山にある光徳寺は文永元年(1264)に空行が建てたというから、この地は鎌倉時代から開けていたのだろう。 今も、400年前とあまり変らない家数だろうが、人数はもっと少ないかもしれない。 この集落には喜多方市内でも見られないような、二重屋根の土蔵が見られる。殆どの土蔵が妻側を道路向けて建っている。その妻壁には豪快な観音扉の防火壁があり、意匠をこらした土蔵の競演である。多くは明治期に入って建てられたものだろう。ここの土蔵は収納蔵や作業蔵が多いが、中には生活されている座敷蔵もあった。 そしてもう一つ喜多方市岩月町宮津勝耕作(通称三津屋)がある、明治30年にこの地に設立されたレンガ工場の赤レンガを用いた木造レンガ建ての蔵である。明治末期から大正にかけて建てられたものであろう。数が少なく5〜6棟程度であった。一見したところ最近流行のレンガタイルとよく似た感じで、説明を聞かなければ、外観だけでは建築後100年も建っているとは思えない建物であった。 角川日本地名大事典 角川書店 角川日本地名大事典編纂委員会 昭和56年 福島県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1993年 日本の町並V 平凡社 湯原公浩 2004年 |
三津谷の町並 |
三津谷の町並 |
三津谷の町並 |
三津谷の町並 |
三津谷の町並 |
杉山の町並 |
杉山の町並 |
杉山の町並 |
杉山の町並 |