川西町上小松・中小松は山形県南部、米沢盆地の西部、最上川の支流犬川流域に位置し、置賜地方の単作穀倉地帯である。 上小松・中小松ともに、近世初めは蒲生氏領、慶長3年(1598)上杉氏領、慶長6年(1601)からは米沢藩領。村高は文禄3年(1594)の蒲生高目録では上小松3,317石余、中小松2,407石余。「天保郷帳」では上小松3,598石余、中小松2,616石余。「旧高旧領」では上小松4,966石余、中小松4,614石余。上小松村の安永8年(1779)の記録では、家数418・人数2,177、馬76。中小松の安永6年(1777)の記録では家数207・人数1,139、馬72。 上小松・中小松ともに越後街道(越後米沢街道・越後十三峠街道)の宿駅・在郷町として栄え、上小松には五日町・十日町があり、国産青苧仕入所井上庄兵衛、質店金子重左衛門、木綿古手金子源三郎、万小物店夷屋伝次、糸綿問屋太物店伏見嘉吉などの商人がいた。中小松には三日町・八日町があり、国産青苧仕入所金子喜右衛門、国産撰苧仕入所山城屋伝五郎、質店菊川酒 井上庄七などの商家があった。 小松宿は越後街道の宿駅の伝馬数が38疋と定められており、越後街道の中では最も多い伝馬数であり、小松から諏訪峠を経て次の宇津峠へと向かった。 今、古い町並は殆ど残っておらないが、旧越後街道に沿って上小松から北の中小松にかけて、伝統的な家屋が散見できる。その中でも中小松にある造り酒屋さんの建物が、古い町並の全てと云ってもよいほど町並景観に寄与していた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和56年 山形県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1990年 山形県の歴史散歩 山川出版社 山形県高等学校社会科教育研究会 1996年 |
中小松の町並 |
中小松の町並 |
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