一関市東山町松川は岩手県南西部、北上川支流で南流する砂鉄川下流に位置する。 江戸期を通じて仙台藩領。松川宿とも云う。 正保郷帳に松川宿とみえ、寛文8年(1668)の高人数改帳では人数1,237とある。「安永風土記」では家数273・人数1,507・馬211で、町住居66・村住居207とある。 松川村内には町場が形成され、松川町として宿駅の役割を果たし、六日町と一日市町から成っていた。 古くから金産出地で近世初めには千貫森金山・鬼沢金山があったが近世後期には休山になっていた。煙草の生産も行われ江戸に送られて、養蚕も行われて繭と真綿は商品として販売されていた。 明治に入って明治8年六日町の殆どが焼失、明治11年六日町全焼、明治21年一日市町・六日町の大半が焼失した。このように明治に入ってから相次いで大火に被災したので、火災に強い土蔵造りの家屋が建てられた。 さて、松川宿と云われる土蔵造りの町並を訪ねた。書籍には今泉街道の宿場町とあるが、どう見ても腑に落ちない。前の宿場は山目宿、後の宿場は長坂宿とあり、この松川宿だけが大きく南に逸れている。ならば場所が違っているのかと思うと、松川宿には一日市町と六日町があると、昔の町名そのままだから、場所も違っていない。疑問のままの探訪である。 それにしても多くの土蔵造りの建物が残っている。度重なる火災により、競って土蔵造りの家を建てたのが今に残ったものだ。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和60年 岩手県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1990年 |
東山町松川の町並 |
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