瑞浪市日吉町(旧細久手宿)は岐阜県南部、木曽川渓谷の南側で、瑞浪市街から北に約8kmの所に位置する。 細久手村は尾張藩領で無高であった。 細久手宿は大湫宿〜御嵩宿間が山坂で四里半もあるので、慶長11年(1606)仮宿が設置され、慶長15年(1610)に正式な宿が設置された新宿である。 宿場の町並三町45間。本陣・脇本陣は小栗氏の二家が世襲で勤め、問屋は小栗家・酒井家の両家であった。宝暦6年(1756)の戸数59軒・人数260人。天保14年(1843)の宿村大概帳によると、町並は東西に続き3町45間、宿内家数65・人数256。中町に本陣・脇本陣があり、本陣は北側にあり、脇本陣は南側で、旅籠は24軒(大6・中7・小11)、問屋場は上町と中町にあった。 本陣・脇本陣の遺構は残って居らないが、宿の中程北側に尾張藩指定宿だった大黒屋の建物は残り、今でも現役で旅館業をされている。切り妻造りの背の低い二階建、平入り、桟瓦葺で観音開きの門、卯建のある屋根である。今でも江戸時代と変わらぬ姿で現役の旅館であるのには驚く。 只、細久手宿には、大黒屋の建物以外に伝統的な様式の建物も少なく、広い敷地の奥に土蔵だけが残った空地が目についた。 岐阜県の歴史散歩 山川出版社 岐阜県高等学校教育研究会 1994年 角川日本地名大事典 角川書店 角川日本地名大事典編纂委員会 岐阜県の地名 平凡社 下中 弘 1989年 |
日吉町(細久手)の旅館大黒屋 |
日吉町(細久手)の町並 |
日吉町(細久手)の町並 |
日吉町(細久手)の町並 |
日吉町(細久手)の町並 |
日吉町(細久手)の旅館大黒屋 |