ピンホールカメラの紹介

2005年初頭よりピンホールカメラを造り出し、約1年間、造っては壊し、造っては壊しの繰り返しで現在(2006年3月10日)は以下のようなカメラを用いてピンホール写真を撮影しています

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ピンホールカメラで最も重要なのはピンホールです。その良し悪しによって画像が大きく異なります。
カメラの改造も度々行いましたが、その殆どはピンホールの取替えに端を発しています。
最初に造ったピンホールは0.1mmのアルミ板に極細の0.2mmのドリルで穴をあけたものを造り、マジックインクで黒くして使ったのです。約10個ほど造りました。文献によると穴をあけたアルミ板もサンドペーパーで磨いて極薄くしなくてはならないようです。
次に造ったのは耐久性が良いだろうと、ステンレスの0.1mmの板に0.2mmの穴をドリルであけたものでした。0.2mmのドリルの刃と云うと髪の毛よりはるかに細く直ぐに刃が折れてしまうのです。この極細のドリルの刃もなかなか入手が難しく、結局この方法で造ったピンホールは2枚に留まりました。
次に考えた方法は、極薄のステンレステープの接着剤をシンナーで取り去り、そこで使われているステンを利用する方法です。表示によると厚みは0.02mmとのこと。しかし反射を防ぐため黒くする方法が難しく、ドリルも折れるのでこれも小数造っただけでした。
次いでやった方法は、銅箔のテープを買ってきて、接着剤をシンナーで取り去り、基材の銅箔を利用するものです。厚みは0.03mmとの表示です。これを利用したピンホールは10個以上造りましたし、多く利用しました。但し、0.2mmや0.25mm・0.3mmのドリルを利用しましたので、なかなか真円のピンホールにはなりませんでした。
それ以前から、日本針穴写真協会の資料によると、0.01mmの銅箔が東京を中心としたホームセンターで販売されているとの情報があり、同系列の関西のホームセンターで探すが、販売されていない。仕方なく日本針穴写真協会に0.01mmの銅箔をお譲り願いたいと申し出ると、ああ良いですよと簡単に必要分を送って頂いた。
今度はその0.01mmの銅箔に縫い物針で極小さな穴をあけては、2000番から4000番程度のサンドペーパーで磨き、また針で突いて穴を大きくするを繰り返して、真円に近いピンホールを造り上げるのです。そして出来上がったピンホールを硫化水素を主体にした黒化液でもって化学変化をおこして黒くしピンホールの出来上がりです。
困難を極めたピンホール造りも今では馴れて、0.15mmから0.3mmのピンホールを自由に造れるようになりました。
今度は0.2mmのピンホール。今度は0.25mmのピンホールと正確でなかっても、その程度のピンホールが造れるようになりました。

このピンホールカメラはマミヤプロRBのフイルムホルダーを利用したカメラです。焦点距離を20mm・30mm・40mm・60mmとに切り替えできるようにそれぞれパックを造りました。フォーマットは6×7cmです。
ピンホールは0.01mmの銅箔に0.15mm・0.2mm・0.2mm・0.25mmとフイルター枠を利用してそれぞれに設置できるようにしています。
その他にピンホールのバリエーションを持たして、0.02mmの厚みのステンレスに0.2mmのピンホールのもの。0.03mmの厚みの銅板に0.2mmのピンホールをあけたものを2枚準備し、逆光時の撮影でハーレーションを起させたり、乱反射を起させて予期せぬ画像を得ようともくろんでいます。

このピンホールカメラもマミヤプロRBのフイルムホルダーを利用したカメラです。焦点距離を45mm・70mm・105mmとに切り替えできるようにそれぞれパックを造りました。フォーマットは6×7cmです。
ピンホールは0.01mmの銅箔に0.2mm・0.25mmと0.30mmのピンホールを開けました。
このカメラは標準の焦点距離を中心に、焦点距離の切り替えが出来るように構成されています。



4×5インチのフイルムパックを使ったピンホールカメラです。焦点距離は45mm、ピンホール径は0.2mm、0.01mmの銅箔使用。 F=225
4×5インチのフイルムパックを使ったピンホールカメラです。焦点距離は65mm、ピンホール径は0.2mm、0.01mmの銅箔使用。  F=325
4×5インチのフイルムパックを使ったピンホールカメラです。焦点距離は125mm、ピンホール径は0.25mm、0.01mmの銅箔使用。  F=500
焦点距離を125mmにすると大型になりましたので、塗装は明るく軽快にしました。
マミヤプレススーパー23という古いカメラを入手し、最初ボデイ部分とフイルムパック部分を用いて、6×9判のピンホール写真を撮りだした。でも焦点距離が長くて面白みが少ないのと、大型のため持ち運びが厄介なので、ボデイ部分はフイルムパック取り付け部分のみを残して、全て取り去り木材を用いて、焦点距離50mmのカメラを造った。
次にもう少し焦点距離を短くしようと、ピンホール取り付け部のみフイルム側に移動して、今は焦点距離32mmで使用しています。

焦点距離32mm  6×9フォーマット  ピンホール径0.2mm  F=160  0.01mm銅箔使用。
マミヤプロRBという一眼レフタイプの6×7判のカメラのフイルムパックのみを入手して、焦点距離40mmのピンホールカメラを木材で造ったが、思うほど周辺光量不足にならなかった。
そこでピンホールの取り付け部分をへこまして、焦点距離25mmのカメラに改造したものです。

焦点距離25mm  6×7フォーマット  ピンホール径0.2mm  F=125  0.01mm銅箔使用。
マミヤプロRBというプロ用のカメラのフイルムパックを利用して6×7cmフォーマットのカメラを製作
焦点距離35mm、ピンホール直径0.2mm、銅箔は0.01mm厚だが、このカメラのピンホールは黒化処理をせず、銅箔に穴をあけたまま使用する。
このカメラを造るときに、焦点距離を35mmと25mmの切り替えを出来るようにしようかと随分迷いましたが、結局35mm専用にして、下記の26mm専用カメラを別に造りました。
マミヤプロRBのフイルムパックを使った6×7cmフォーマットのカメラです。
焦点距離26mm、ピンホール直径0.2mm、0.01mmの銅箔使用。
このカメラも固定焦点にして、ピンホールには黒化処理はしませんでした。
上と同じマミヤプロRBという一眼レフタイプの6×7判のカメラのフイルムパックを入手して、焦点距離20mmのピンホールカメラを木材で造った。
上のカメラでもそこそこ周辺光量が落ちてくれるが、もっと極端なカメラと思い制作しました。
35mmカメラに換算すると焦点距離が9mmになります。

焦点距離20mm  6×7フォーマット  ピンホール径0.15mm  F=135  0.01mm銅箔使用。
マミヤプロRZという一眼レフの6×7判のフイルムパックを利用したピンホールカメラです。フイルムパックのマウントを削り取り木製のボデイにビス止めしたもの。
焦点距離は思い切って15mmというトンデモナイ超広角にしました。

焦点距離15mm  6×7フォーマット  ピンホール径0.12mm  F=125  0.01mm銅箔使用
マミヤプロRZという一眼レフの6×7判のカメラのフイルムパックを用いたピンホールカメラです。フイルムパックとボデイとの取り付けは、元々付いていたマウントを削り取ってしまって、ビス止めをしました。

焦点距離42mm  6×7フォーマット  ピンホール径0.25mm  F=170  0.01mm銅箔使用
マミヤプロRBという6×7判のカメラのフイルムパックを利用して、焦点距離65mmのピンホールカメラを木材で造ったもの。他のマミヤRB6×7は超広角に造ってあるので、一般撮影には向かないので、今回は通常の撮影に便利なようなカメラを製作した。
35mmカメラに換算すると焦点距離が35mmになります。

焦点距離65mm  6×7フォーマット  ピンホール径0.20mm  F=325  0.01mm銅箔使用。
マミヤプロRBという6×7判のカメラのフイルムパックを利用して、焦点距離110mmのピンホールカメラを木材で造ったもの。標準レンズに近く35mmカメラに換算すると焦点距離が55mm程度になります。
一般にピンホールカメラは超広角から広角が多いですが、このカメラは珍しく、標準から少し長い焦点距離にしています。
シャッターもピンホールカメラ用に造ったもので、今までのようなレンズカバーで代用したり、磁石を使ったものとは異なります。
焦点距離110mm  6×7フォーマット  ピンホール径0.25mm  F=440  0.01mm銅箔使用。
(株)シャラン(日本のミニチュアカメラのメーカー)の販売しているピンホールカメラのキットを購入して組み立てた紙製のピンホールカメラ。
焦点距離40mm  6×9フォーマット  ピンホール径0.23mm  F=175  ピンホールの材質や厚みは不明
組み立てて使用すると、不具合がでたので、5ヶ所を改良した。 シャッターの操作をし易くする為に塩ビの板を取り付けた。三脚に取り付けてもぐらぐらするので固定するように改良。
フイルムの巻き方が緩いので、スポンジをかませて硬く巻き取れるようにする。一部光が漏れるのでポリプロピレン板を入れる。フイルム圧板の代わりのものを設置する。
オリンパスシックスというスプリングカメラを入手し、最初はレンズを取り去りシャッターを生かして、75mmの焦点距離のピンホールカメラとして使用していました。でも焦点距離を短くする改造のため、蛇腹を取りさり金属ボデイに直接ピンホールを取り付けて、焦点距離22mmで使用しています。

焦点距離22mm  6×6フォーマット  ピンホール径0.2mm  F=110  0.01mm銅箔使用。
このカメラは私が所属しています日本針穴写真協会のワークショップ用の6×7判の木製カメラキットを購入して組み立てたものです。キットの内容は焦点距離40mmに設計されていますが、制作の途中から気が変り、29mmの焦点距離に変更しました。前面の木部が全てシャッターになっています。

焦点距離29mm  6×7フォーマット  ピンホール径0.2mm  F=145  0.01mm銅箔使用。
リコーフレックスZSという二眼レフを入手して、最初はレンズを外してしまい、シャッターを生かして、75mmのピンホールカメラととして使用していました。でも最近焦点距離を少しでも短くするために、改造を加えました。
ビューレンズ部分をカットして取り去り、焦点距離を59mmまで短くしましたが、ボデイ部分を使用していますので、それ以上は無理のようです。
裏蓋をそのまま利用する積りでしたが、改造途中で蝶番が壊れてしまい、仕方なく裏蓋はマジックテープで取り付けています。

焦点距離59mm  6×6フォーマット  ピンホール径0.2mm  F=300  0.01mm銅箔使用。
このフジペットというカメラは冨士フイルムが戦後直ぐにフイルム消費のために売り出したブロニー判6×6判の簡易カメラです。
これも最初は、レンズを取り去って、シャッターを生かして焦点距離65mmのピンホールカメラとして使用していましたが、今では改造して焦点距離40mmのカメラになっています。

焦点距離40mm  6×6フォーマット  ピンホール径0.24mm  F=170  0.01mm銅箔使用。
このカメラはドイツ製のブラウンという35mmカメラです。
ピンホールカメラにするために入手したわけでなく、普通のコンパクトカメラとして購入したのですが、シャッターの調子が良くないので、レンズやシャッターを取り去りピンホールカメラとして使用しています。

焦点距離19mm  35mmカメラ  ピンホール径0.13mm  F=150  0.01mm銅箔使用。
ニコンの一眼レフのボデイキャップにピンホールを取り付けたもの。このカメラは30秒まで自動で露出が決まりますので、ピンホールカメラとして使用すると、露光で悩むことがありません。しかし一眼レフはミラーを使うため焦点距離が50mm以下にならないのが欠点です。

焦点距離50mm  35mmカメラ  ピンホール径0.25mm  F=200  0.01mm銅箔使用。
このカメラはロシアライカと呼ばれるライカのコピー機でゾルキーといいます。
レンズを取り外して焦点距離24mmのピンホールを取り付けています。
35mmカメラでも一眼レフと違い、ミラーが無い分ピンホールをフイルムに近づけられますが、フイルムが小さい分だけ画像の鮮明さが劣ります。

焦点距離24mm  35mmカメラ  ピンホール径0.2mm  F=120  0.01mm銅箔使用。
このカメラもロシアライカと言われているが、外観は少し違ったエフェド3といいます。
レンズの代わりに焦点距離15mmのピンホールを設置したもの。カメラ本体の二重像合致式の連動距離計の部品を取り外せばもう少し焦点距離を短く出来るが、連動距離計を残したままだとこれが精一杯の焦点距離だ。
これでも4隅が僅かに欠けるのが確認できる。

焦点距離15mm  35mmカメラ  ピンホール径0.2mm
F=75  0.01mm銅箔使用
ビューティフレックスという二眼レフです。このカメラは前面のカバーを取り去り、撮影レンズを取り外しただけで、シャッターを生かして使用しています。

焦点距離75mm  6×6フォーマット  ピンホール径0.3mm  F=250  0.01mm銅箔使用。
その他に印画紙をフイルム代わりに使用する菓子箱のピンホールカメラが二台と、ペンタックスSVという一眼レフにピンホールを取り付けて、標準、中焦点、望遠と焦点が変えられるカメラもあるのですが、今後使用することが無いでしょうから掲載はしないでおこうと思います。