大阪市中央区の近代建築　２

	大丸百貨店 昭和８年建築 SRC造り８階建て 設計　ヴォーリズ建築事務所 施工　竹中工務店 大阪市中央区心斎橋筋１丁目 当初は心斎橋筋側の入口を入ると６階までの巨大な吹き抜けがあったが、昭和１２年、空襲への防火対策として、吹き抜けは閉鎖され、昭和２０年の空襲で５階以上が焼けてしまったが、当初の意匠を尊重して復元された。
	旧そごう百貨店　　 昭和１０年建築 SRC造り８階建て 設計　村野建築事務所 施工　大倉土木 大阪市中央区心斎橋筋１丁目 外壁の垂直のルーバーに特徴ある建物である。 現在の外壁はモザイクタイルであるが、建築当初はイタリア産トラバーチンを貼っていた。 経営再建のため、このそごう本店を閉鎖・売却することに決まったが、建物は存続させてほしい。
	南海ビルディング 昭和８年建築 SRC造り 設計　久野　節建築事務所 施工　大林組 大阪市中央区難波新地６ 高島屋が入っているビルで、建築当時は北の阪急と並ぶターミナルデパートビルであった。 １４スパンの連続アーチからなる巨大なビルである。
	綿業会館 昭和６年建築 CRC造り７階建て 設計　渡辺　節建築事務所 大阪市中央区備後町二丁目５ 外観は窓の見込みが浅く、控えめで平面的な感じが強いビルである。
	旧小西儀助商店 コニシ 明治３６年建築 木造２階建て 設計　基礎　渋谷五郎 　　　　意匠　本間乙彦 大阪市中央区道修町一丁目６ 近代的なビルに囲まれた中に、瓦葺、塗り込め建築は少し異様に感じる。 建築当初は３階建てだった。明治４４年の堺筋拡張で西側が切り取られ、関東大震災後に地震を恐れて、３階部分を切り取り現在の姿になった。
	小川香料 昭和５年建築 RC造り４階建て 設計　本間乙彦建築事務所 施工　竹中工務店 大阪市中央区平野町２−５ 外壁を各層ごとに水平に区切った庇の特徴のあるビルである。１９３０年頃にはやったスタイルとのこと。
	旧住友ビルヂング 三井住友銀行 昭和５年建築 ＳＲＣ造り６階建て 設計　長谷部鋭吉 　　　　竹腰建造 大阪市中央区北浜４丁目 クリーム色の竜山石貼りの外観。当初７階建てにする予定が、関東大震災の影響で５階建てに変更された。もし、計画のまま７階建てであったら、圧倒的な建物になったであろう。 後に６階部分が増築された。
	大阪城天守閣 昭和６年建築 ＨＲＣ造り８階建て 設計　大阪市建築課 大阪市中央区大阪城内 昭和の御大典の記念事業として天守閣と第四師団司令部の建物をたてて、軍に司令部を寄付したもの。 平成９年に外装と内部空間も全面的に改装し、白セメント壁が鯱鉾や飾り瓦、破風飾りを引き立てている。
	旧第四師団指令部庁舎 大阪市立博物館 昭和６年建築 ＲＣ造り３階建て 設計　第四師団経理部 施工　清水組 大阪市中央区大阪城内 第四師団司令部の建物が大阪城内に多くあったが、市民から寄付を募り、天守閣を建てるときに一ヶ所に集中する目的で、司令部の建物を建て、軍に寄付したもの。
	旧大阪砲兵工廠化学分析場 空家 大正８年建築 大阪市中央区大阪城内 ネオ・ルネサンス様式の建物。 砲兵工廠の遺構で貴重な建物だが、空家のままで、朽ちるに任せている状態。