宮津市
茶六本館
京都府宮津市魚屋866
電話 0772-22-3347 

茶六本館の前景

茶六本館の前景の夕景

玄関入口

  京都府の最北部 丹後半島の東の付け根に位置し、宮津湾に面した宮津市は日本三景の一つ天橋立で名の通った町である。
城下町宮津は京極高広によって町割りされたものが、殆どそのまま残り、江戸期の北前船の立ち寄る港町として発展したところである
今でも伝統的な町並みが残っているのは、西河原通り、白柏通り、万町通り、魚屋町通り、そして新浜通りは花街の風情が今でも残っている。
享保年間(1716~36)創業の茶六本館は、魚屋町通りと西堀川通りの交わる角で、創業の時と同じ位置に木造三階建てで建っていた。
車を旅館の前に留め、玄関の暖簾を潜って扉を開けて「ごめん下さい」と声をかけると、奥から女将が現れて、近くの駐車場までの道を教えてくれた。車を置いて旅館に戻るり、女将とどんな会話をしたか忘れたが、前の道は川だったのですよとの言葉だけは覚えている。案内されたのは頼んでいたように前の道に面した部屋だった。
旅館建物は複雑な構造で、大きくは前の道に面した棟と、奥に続く棟の合体したもの。その建物がそれぞれ3階建てで、建築時から改造・改装・補修等がなされているので、複雑極まりない。
一泊位の宿泊では館内で迷ってばかりだった。
ご主人に昭和8年から今の建物の改築改修工事が始まったと聞き、その時の設計図も見せて頂いた。竣工が昭和11年4月と記されていた。部分的には大正期の建物も残っているそうだ。そして平成22年に国の「登録有形文化財」に登録された。
館内の構造材や意匠は昭和8年~11年の改築時のものだから、そんなに古いものでないが、その後の改装や補修が適宜に行われて、その上綺麗に清掃されているので快適に宿泊できた。
私は古い旅館ばかりを泊まり歩いているが、ここまで整備・清掃が徹底している旅館は珍しく貴重な体験をさせて頂き感謝 感謝。
宿は女将・ご主人と次期女将の3名で遣っておられるようで、女性二人とは頻繁に話したり出会い、ご主人には翌朝建物に付いて詳しく話して頂き、2枚の設計図まで持ち出して頂き説明を受け感銘しました。
当日の宿泊客は10名程だったと思います。只 一人の宿泊客には夕食が付かないので、外食せねばならない。旅館と提携された食事場所もあるのだが、チョット趣旨と合わないので辞めたら、忽ち食事場所に困り、結局大きなショッピングモールの5階にある食堂街で和食を頂いたが、旅の食事としては不満が残った。
チェックイン時間の午後4時に旅館に入り、宮津市内の探訪は明日にしようと、旅館の夕景撮影と夕食以外は旅館から出なかったが、翌朝8時過ぎから大雨になり、結局宮津市内は訪ねないままの帰宅となってしまったのが少し残念。でも宮津市内は何度も訪問しているので「まあいいか」と思い帰ってしまった。
(2016.9.27宿泊)


泊った部屋

泊った隣の部屋

別の部屋

大広間

泊った部屋、道に面して細い空間が

夕方の入口

館内の廊下・階段装飾

館内廊下 
 
泊った部屋から早朝の光景
 
昭和11年の改築時の設計図

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