湯梨浜町 | ||
東郷館 | ||
鳥取県湯梨浜町はわい温泉4-24 電話 0858-35-2010 |
東郷館の前景 |
東郷館の夕景 |
東郷館の入口玄関 |
はわい温泉は鳥取県湯梨浜町にある温泉で、東郷温泉とは東郷湖を隔てた対岸の位置関係にある。 はわい温泉はもともと東郷湖の湖底に湧出していたが、現在の温泉街は湖を埋め立てた岬状の地域にあり、湖底や埋立地を掘削して湯源を得ている。 温泉の発見は天保14年(1843)といわれ、東郷湖の湖底から湯が自然湧出しているのを漁民が見つけたもの。明治19年頃から、湯が出ていた湖を埋め立てて掘削を行い温泉を掘り当て温泉旅館の開業が始まった。 この辺りは旧浅津村の村域にあり、温泉は「浅津温泉」と称した。明治末期に山陰本線が全通し、松崎駅前の東郷温泉(松崎温泉)が交通の便利がよく、鳥取温泉や浜村温泉と共に多くの温泉客を集めたが、浅津温泉は交通の便利が悪く温泉客は少なかった。大正期になり、東郷温泉から連絡船が通うようになり、温泉街が形成されていった。昭和2年に浅津温泉は「新東郷温泉」と改称している。 太平洋戦争が終わり、モータリゼーションが進むと、国道9号線に近い「新東郷温泉」には、バスで団体客がやってくるようになり温泉客は急増した。昭和29年から昭和55年の間に温泉客は24倍に増え、数軒の旅館だったのが、高層のホテルや旅館が建ち並ぶようになった。 昭和53年に羽合町の創立25周年を記念して、新東郷温泉を「羽合温泉」に改称し、さらに20年後の平成10年に「はわい温泉」と改められた。 さて、はわい温泉の東郷館は明治38年創業という老舗旅館である。湖底から出ていたお湯を目当てに埋め立てた土地に建てられた初期の旅館。岬の先端部分を占めているので、当地の有力者だったのだろう。 旅館建物は創業当時の建物を大切に使われている。当然補修や改修、改造は行われているが、古い建物を大事に大事に使われているのが判る。 玄関を入って右手に曲がると長い廊下があり、その右側が主の庭園になっている。昔はここに池が造られていたのだがと、女将??の話。その先は小さな島で、東郷湖が見えたとのこと。今は巨大な旅館建物が建っていた。 旅館建物は小さな中庭を囲むように建てられている。殆どの建物は平屋であるが、奥の方の左手には2階建ての客室も建てられていた。 到着したのは午後4時過ぎ、出迎えてくれたのは若い40前後の女将??と思ったが。夕食を呼びに来てくれたのはもう少し年配のおばさん。女将??と聞くと親戚の者とのこと。先ほどの若い女性は??と聞くと子どもがいるのでもう帰った。 えぇ 何だか判らないが、経営者は今年の1月に急に亡くなったので、今は男性の子ども(40歳過ぎ)が料理と全般を、その妹が嫁ぎ先から手伝いにきといるとのことで、夕食も朝食も親戚のおばさんのお世話になった。 この旅館間口は小さく見えるが、良く見ると歩測で間口45m程、奥行き27m程と間口が広い。写真の玄関入口の奥が調理場でその奥に自宅建物があった。 近代的で巨大なホテルや旅館が林立するはわい温泉の中で、昔のままの形態を保って営業を続けるのは困難を伴うと思うが、このままの形態で旅館業が続けられるように願いつつ宿を後にした。 (2016.5.13宿泊) |
泊った部屋 |
別の部屋、明日会合がある部屋とのこと |
別の部屋 |
別の部屋 |
中庭を囲んで客室が続く |
中庭の光景 |
廊下から見た中庭 |
玄関から右手に進んだ廊下、右側は主庭園 |
玄関に揚がっていた「東郷館」の看板 |
玄関に掲げられていた「東郷館」の額 |
庭にビールを持ち出して至福の時を味わった。 |