有福温泉
三階旅館
島根県江津市有福温泉町692
電話 0855-56-2211 

三階旅館の前景

三階旅館の夕景

入口玄関

  1360年ほど前に発見されたと言われる有福温泉の中心地に木造3階建ての三階旅館はある。
江戸時代末期に殿様の隠居用の別邸として建てられたと云われるが、その殿様とは誰かまでは調べられなかった。
明治2年にこの建物で「振縄館」という名前で旅館として営業を始めた。ところが、当時3階建ての建物は珍しく、町の方から親しみを込めて三階さんと呼ばれていたことから、旅館の名称を「三階旅館」としたそうです。
入口玄関の格子戸を開けて中に入り、案内されたのは玄関棟の三階右側の部屋で、共同浴場の駐車場が見通せる明るい部屋。
建物は江戸末期の建物で、古い筈ですが、改装や修復が進み、構造材や柱、階段、廊下などで古さは全く感じないのはチョット残念な宿泊になった。でも泊った部屋の窓側下に残っていた格子は建築当時の意匠と思われる貴重な歴史遺産でしょう。
泊った部屋の隣の隣の部屋は別棟になり、部屋の名前は「松」というこの旅館で一番良い部屋で随分広い客室である。3階にも拘わらず庭に面している。山に面してなら目の前が庭とは判りますが、部屋の前の庭を通して町並が見える。何のことない、無理矢理後で部屋の前に庭を造ったものだった。三階旅館の正面左側に鉄筋コンクリー造りの2階建て建物がある。その建物の屋上に庭園を造ったと云うものだった。
この鉄筋コンクリートの建物が、三階旅館のファサードに悪影響を与えているかはどうかは???
この「松の間」は天井高く、部屋の意匠などは建築当時の様式が多く残っていると女将の話だった。他に伝統を感じる意匠は、玄関入口に飾られていた欄間彫刻や部屋の入口の格子戸の意匠などがあった。
今何代目と女将に聞くと、血縁だが代が代わってから4代目で、それ以前は何代続いていたのかは不明とのこと。
予約時に、当日は風呂は準備しないので公衆浴場に行ってくださいとのことだった。温泉旅館に泊るのに風呂が無いとはと疑問に思いながらの宿泊だったが、この温泉地の風習のようで、旅館の宿泊客も地元の人々も皆様、有福温泉の共同浴場を利用されているようで、私は三階旅館の隣にある「さつき湯」の温泉を利用した。
(2018.9.26宿泊)


泊った部屋

泊った部屋の格子は見事なものだった

泊った部屋から見た外の景色

夕方の三階旅館入口

三階旅館になる前の名称の「振縄館」の額

松の間の床の間

松の間

入口を内側から見ると

他の部屋

他の部屋

他の部屋

他の部屋

他の部屋

泊った部屋の格子

部屋の入口の格子戸の意匠

部屋の入口の格子戸の意匠

階段と窓の意匠

廊下に飾られた坪庭

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