霧島市 妙見温泉 |
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おりはし旅館 | ||
鹿児島県霧島市牧園町 下中津川2233 電話 0995-77-2104 |
おりはし旅館本館の前景 |
おりはし旅館本館の夕景 |
おりはし旅館本館入口 |
霧島市牧園町にある妙見温泉は広義では霧島温泉郷に含まれているようだが、狭義では新川渓谷温泉郷に入っているようだ。 天降川と中津川の合流するこの辺りは折橋と呼ばれていた。この地に住む折橋左衛門が川岸に泉源を見付けたのは江戸末期と思われる。明治10年の西南戦争で傷を負った薩摩軍の兵士がその折橋湯に浸かり、効能を伝えたことで、その名が知れるようになったとの伝承があるのが、今に続く「キズ湯」です。 明治12年創業と云われ、島津家の医者だった久木田五介が湯治客を受け入れる設備を設けたことで、療養の湯「キズ湯」として折橋温泉の名声が高まっていった。 「おりはし旅館」は国道223号線から分かれて妙見大橋を渡った右側にあった。車ごと大きな公園に入って行くように樹木の中に入ると、従業員の女性が待ち構えていた。車をその場所に置いてフロントへと云われるが、ホテルや旅館のフロントらしきものはない。傍の立派な公園のトイレの様な建物の中にフロントと売店・休憩場があった。受付を終えると、抹茶とお菓子の接待を受ける。 駐車場に車を置いて、本館の入口で待っておられた仲居さんの案内で2階に上がる。古風な階段やその周りの意匠に満足。案内されたのは頼んでいた通りの本館2階の「かえで」の間、8畳+6畳で廻りに回廊をまわした立派な部屋。本館入口の左上のかっての最上級の部屋。回廊から下を見ると旅館の入口部分が、樹木の中に見えて大変綺麗。部屋には一部板壁があり寿老人と童の絵が描かれていて、窓のガラスは明治大正期のガラス特有のユラユラと揺れる歪な風景が楽しめる。この部屋に一人で泊まるのは余りにも贅沢と感じた。 この本館は大正年間に建ったものだそうですが、一年ほどかけて改修・補修を行い今年の5月から宿泊客を受け入れだしたもの。 夕食は本館一階の個室の食事場所で頂いたが、その時に5代目女将が一部屋一部屋づつ挨拶に廻られていた。その時に話されていたのは、一昨年よりこの「おりはし旅館」の女将になったもので、4代目とは血縁関係はないとの話でした。なんでも近くの日光山温泉の老舗旅館の総支配人をされていたのが、一昨年よりこの「おりはし旅館」の社長兼女将として赴任してきたとのこと。赴任して早々に本館の修復に取り掛かったと仰っていました。 当日この本館には他の一組2人が宿泊されていましたが、部屋に通じる階段は別だったので、顔を合わすことは無かった。「おりはし旅館」には「特別室の離れ」や「一戸建ての離れ」が多く建てられている。 樹木の中の7万坪もの広い敷地に「本館」や「特別室離れ」・「離れ」・フロント棟・湯治棟の山水荘などが点在している。「おりはし旅館」の代名詞の様な「キズ湯」は折橋温泉の発祥の源泉で、発見当時と変わらずに自然湧出の湯だそうだ。 また、「日本秘湯を守る会」の会員旅館で、旅館敷地入口に「日本秘湯を守る会」の大きな提灯がぶら下げられていた。 (2017.6.11宿泊) |
h 本館2階の泊まった部屋 |
本館2階の泊まった部屋 |
泊まった部屋に描かれていた寿老人と童の絵 |
泊まった部屋の欄間 |
泊まった部屋から見た早朝の景色 |
本館の階段 |
本館入口を内側から見ると |
本館の廊下 |
本館の夜景、泊った部屋は手前2階部分 |
温泉の「キズ湯」(手前右に少し見える)と「竹の湯」 |
露天風呂 |
妙見大橋から見た「おりはし旅館本館」 |
早朝の旅館の前庭(午前6時半頃には既に打ち水がされていた) |