卯之町
松屋旅館
愛媛県西予市宇和町卯之町3町目218電話 0894-62-0013 

  卯之町は宇和島街道沿いの、宇和島藩最大の宿場町・在郷町として栄えた。当時のままの姿で旅館として現在も営業されている姿には感動する。
WEB集団「いらかぐみ」のオフ会開催がこの旅館で行われ、6名の仲間と共にこの松屋旅館に宿泊した。
山裾を通る道の一番山側の道が一番古い旧宇和島街道で、その道に沿って松屋旅館が建っている。
道に面した主屋は平屋建て平入になっているが、元の玄関入口の破風の部分は扉でなくて内部は部屋になっているなどの改造がなされ、現代風に内部は改装されていた。泊まった部屋はまさにこの部分で、1階部分が居室として利用され、その上に寝室部分が造られていた。天井の梁が一部低い部分もあり、頭を思いっきり打つ付けている仲間もいた。
松屋旅館の建物は1804年築と云われる古い建物で、改修を加えながら、時代に合った旅館として営んでこられたもの。来館者には末廣重恭・後藤新平・犬養 毅・浜口雄幸・若槻礼次郎・尾崎行雄・浅沼稲次郎等々、宿泊者には前島 蜜・新渡戸稲造等々と、政治・文化の著名人の来館が旅館入口に掲示されていた。
松屋旅館では6代目女将の漬ける「お漬物」が売りで、江戸時代より300年間生き続けている糠床を大切に守り、お漬物を継承されていて、お客の食べる時間に合わせて漬け込むことが行われ食卓に並んだ。
また、白身の魚を漬け込んだ「ひゅうが飯」も食卓に出されて美味しく頂いた。ひゅうが飯というから、多分対岸九州の日向からの伝承でしょうね。
部屋の調度品の中に、刀置き台や槍掛けの金具も備わっていたのには驚いた。
この松屋旅館はこの木造の旅館のほかに、第一ビジネスホテル松屋・第2ビジネスホテル松屋も近くで経営されていて、時代に合った形態で営業されている姿勢が、旅籠が今に旅館として続く源と思った旅でした。
(2013.6.8宿泊)

江戸期の帯刀していた頃の刀の置台

松屋旅館最大の売り物の「漬物類」が食卓に並べられた

食堂
 
 
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