城崎温泉 | ||
小林屋旅館 | ||
兵庫県豊岡市城崎町湯島369 電話 0796-32-2424 |
小林屋旅館の前景 |
小林屋旅館の夕景 |
小林屋旅館の入口 |
城崎温泉は平安時代から知られている温泉で、1300年の歴史をもつ温泉。 江戸期、泰平の世となると、京都・大坂をはじめ関西各地からの入湯客が次第に増え、多くの知名人も来遊した。江戸時代の温泉番付によると、西の大関(最高位)は有馬温泉で、次いで関脇の城崎温泉がランクされている。 この頃の入湯は物見遊山よりも病気療養のための湯治が主であったことから、当時は宿屋といっても長期滞在者のための貸部屋式のものが多かった。寛延2年(1790)宿屋は17軒を数えたが、幕末期には63軒となり、宿屋組合も結成された。 温泉街の中を流れる大谿川の両側の柳並木、木造3階建ての建物が続く町並と、石造りの太鼓橋で形成される温泉街の光景。城崎温泉は今でも温泉情緒の味わえる温泉地だ。温泉街の中を旅館の下駄履き、浴衣姿でカラコロと下駄の音を響かせて、外湯巡りや土産物屋巡りができる貴重な古い温泉地の情緒を残す町である。 古来から城崎温泉では、内湯(旅館内に浴槽を設ける)をせず、外湯(共同浴場)主義を貫いてきた。大正14年に北但大震災が起こり、温泉街を焼き尽くしてしまった。そして震災後の寂れた城崎に浴客を誘致するため、昭和2年に三木屋旅館が内湯を設けようとしたことから、内湯問題が起こり23年間もの長期抗争へと発展した。 そして昭和25年に泉源は温泉区で管理し、内湯・外湯の併設を認めることとなって和解が成立し、泉源の開発を行い今ではどの旅館にも内湯が設けられているが、内湯の大きさを制限していることとで、大きな浴場を望まれる方は外湯でとなっている。また、泉源を一元化しているので、温泉のどの湯も同じになっているのは長所か欠点かは個人の執りよう。 今でも城崎温泉の温泉情緒は昔のまま残っていて、下駄の音をカラコロと響かせて七つある外湯通いと、土産物店を覘くのが観光客の大きな楽しみである。 さて、小林屋旅館は城崎温泉の中心地で、一の湯の目の前に位置し、元禄期(1688~1704)に瀬戸物商として開業、宝永7年(1710)ころ旅館を創業したのにはじまり、綿々と300年以上に亘って営みを続けられている旅館。今は9代目という若いご主人と女将を中心に頑張っておられる。 案内されたのは、頼んでいた通り木造3階建ての本館で、小谿川の柳並木の通りに面した3階の角部屋。大正14年の北但大震災後の、昭和初期に建てられた建物と申し分ない条件。その上、国の登録有形文化財に指定されている。でも、私にとってはチョット不満が。余りにも現代的に改装が施されていて、伝統的な様式の意匠や古さが感じられない。まあ,私の様に古さを求めて宿泊する方は居られないのだから仕方ない改装・補修でしょう。 それが証拠のように泊った当日も、多く宿泊客で賑わっていた。でも、せめて歴史の古い老舗旅館であることを、大いに宣伝しての営業活動をして貰いたい思いだった。 (2018.05.29宿泊) |
泊まった部屋 |
泊まった部屋からの景色(一の湯の建物が柳で見えない) |
泊まった部屋 |
泊まった部屋から見た一の湯の夜景 |
小林屋旅館の夕景 |
小林屋旅館の夜の入口風景 |
別の部屋 |
大広間 |
階段 |
入口を内側から見ると |
廊下と階段 |
夜の城崎温泉の風景 |