さぬき市志度
以志屋旅館
香川県さぬき市志度599
電話 087-894-0021 

以志屋旅館前景

以志屋旅館の夕景

以志屋旅館の入口玄関

  志度は志度寺の門前町として栄えた歴史ある町である。
江戸期には志度街道が東西に通り、宿駅問屋が置かれ、四国霊場八十八ヶ所第86番札所志度寺参詣の巡礼宿がならんでいた。天保9年(1838)の志度村の家数1,130軒・人数4,625人と云うから相当なもの。
四国霊場が弘法大師によって開創されて1200年と云われ、記念事業などが行われているが、四国霊場八十八ヶ所巡礼が普及したのは江戸中期になってからで、西国三十三ヶ所観音霊場・熊野詣・善光寺参りなど、庶民の間に巡礼が流行するようになった一つが四国霊場八十八ヶ所巡礼である。
今でも志度の町並みを歩くと、古い町並が残っている。平入り、切り妻造り、中2階建て、漆喰壁の虫籠窓、本瓦葺き、格子、出格子の家屋が点在し、旧志度街道はお遍路の風情が残る落ち着いた町並みである。
そんな街道筋に、遍路宿を絵に描いたような「以志屋旅館」があった。本瓦葺・切妻造り・平入・中2階建て・漆喰塗り込めの虫籠窓・格子窓など、江戸時代そのままの家屋で旅館を営業されている。
街道に沿った建物は明治中期の建物だそうで、奥には大正期の建物、さらに奥には昭和期の建物と3棟の建物で成り立つ「以志屋旅館」で、全ての建物が国の登録有形文化財に指定されている。
今、宿泊に使用されている部屋は、真ん中の大正期の建物と一番奥の昭和期の建物。食事場所は街道に沿った明治期の建物の一階であった。多くの部屋を見せて頂いたが、一番立派に造られているのは、街道に面した明治の建物の奥の部屋で、今は物置として使われ、客室として整備されていなかった。
私が案内されたのは大正期の建物の2階であった。お遍路を歩いて回られている他の宿泊客は一番奥の昭和期の建物の一階であって、食事は一緒に明治の建物で頂いた。当然、風呂やトイレ・洗面場所などは現代に合うように改造され、エアコンも備わっていた。
ご夫婦で昔のままの形態でやっておられる旅館で、旅館の建物の隣で居酒屋も別に営業されていた。
建物が気に入って泊った旅館だったが、どうも創業は明治に入ってからのものとの話だったが、江戸期からの旅籠宿とおもえる旅館だった。
(2015.7.6宿泊)


泊った部屋

前の中庭

泊った部屋の下の部屋

大正の建物へ続く廊下

泊った大正期建築の部屋(泊った部屋)からみた道路に沿った明治期の建物

泊った部屋から見た奥の昭和期の客室建物

泊った部屋から見た明治期の建物(網戸越に見る)

大正期の建物から奥の昭和期の建物に続く廊下と奥の中庭

明治期の建物の一番よい座敷の前にあった「ツクバイ」

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