笠岡市北木島 | ||
天野屋旅館 | ||
岡山県笠岡市北木島町3944 電話 0865-68-2019 |
天野屋旅館の前景 |
天野屋旅館の夕景 |
天野屋旅館の入口 |
笠岡市北木島は笠岡港の南方約16kmの瀬戸内海に浮かぶ笠岡諸島最大の島。 北木島から真鍋島にかけての海域は良好な漁場で、江戸中期からは特に鰯漁が盛んとなり、獲れた鰯は肥料の干鰯にして綿作に使用された。また、北木島や周辺の諸島は御影石の産地として知られ、大阪城の築城にあたって、石垣用として運び出されたのは有名です。明治期になって採掘と販売が盛んになり、建築用材として利用されていた。最盛期には120ヶ所以上の採掘場があったが、現在採掘されているのは一か所で、石材は輸入され、石材加工が行われている。 今回訪ねた天野屋旅館は、漁業集落の大浦の端にあった。明治初年の創業というから120年も経っている老舗旅館である。 笠岡港から高速船で北木島大浦港に着き、船を降りると天野屋旅館の御主人が迎えに来てくれていた。船着き場から僅かの距離だから、当然歩いて訪ねるつもりで、到着時間も知らせてなかったが、多分この船だろうと出迎えに来たとのことでだった。尚その上、宜しければ島を案内するという。お言葉に甘えて大浦集落の反対側になる採石場跡を案内してもらった。 旅館に帰り、案内して頂いた部屋は正面入り口の上の2階の部屋だった。現在の建物は終戦後直ぐに建て替えられた木造3階建てで、それまでは2階建てだったそうだ。旅館の敷地内を道路が横切っている格好になっているが、かっては本館(3階建て)前の道路の海側は砂浜だったそうだ。 4代目になる御主人は、建物はなるだけ改装せずに大事に使っていると仰り、昔と変わったのはテレビが薄くなったことと、玄関前のフェニックスがこんなに大きくなった程度と云われた。面白い表現と思い印象に残っている。 宿はご主人と女将で遣っておられるようだが、接客対応は主に御主人で、女将さんを見たのは料理を部屋に運んでもらった時だけだったと思う。 同じ旅館でも接客応対に、事務的に進められるところとはビジネスホテルのように感じるが、この天野屋旅館のご主人の対応は素晴らしいものと思う。別に気取った様子もなく、良いところを見せるわけでもないが、寛げる対応にはびっくりする。多くの古い旅館を泊り歩いているが、ご主人の素朴で素直な対応は今まで泊まった旅館の中で最高だったと思う。 心癒される一泊だったことを感謝しながら、三洋汽船の船旅で笠岡港に向かった。 (2019.6.19宿泊) |
泊った部屋 |
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階段 |
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玄関を内側から見る |
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別の部屋 |
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夕景 |
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夕景 |
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3階の大広間 |
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天野屋旅館の前景 |
泊った部屋の床の間 |
泊った部屋の床の間 |
泊った部屋の欄間 |
前景入口 |
大広間の飾り |
壁の意匠 |
3階大広間のトイレの扉 |
3階大広間の縁側 |