雲南市木次町
天野館
島根県雲南市木次町木次51
電話 0854-42-0006 

天野館本館の前景

天野館本館の夕景

天野館本館の入口

 雲南市木次町木次は山陰沿岸部と奥出雲地域を結ぶ中継点として発達した町である。
江戸期には斐伊川船運の拠点として発達し、紙の生産が盛んで市が開かれ、江戸末期には奥出雲産の鉄を材料とした木次千歯(脱穀機)の製造が始まり、製紙と並んで江戸期から明治前半期にかけて木次町の重要産業となり、木次の町並が旧東城街道に沿って形成された。
そのような時代背景の中で天野館が明治24年に創業した。JR木次駅から歩くこと約8分程で天野館に着く。街道に沿って木次堤防桜並木に向かう明治24年の創業時建築の本館と、街道を挟んで山側には大正2年建築の別館がある。声を掛けると本館の奥から高齢のご主人が迎えてくれて、本館の奥の部屋に案内して頂き、予約時に他の部屋を見せて欲しいと頼んでいたので、本館・別館の主だった部屋を、宿泊者が来られる前に案内頂いた。感謝、感謝。
ネットでの写真の感じから、駅前旅館的な旅館と想像していたが、予想とは大きく狂い意外や意外、本館・別館とも登録有形文化財に指定されてもおかしく無い、見事な建物の旅館であった。チョット驚いたのは別館に「涼翠庵」と名付けられた庭園の見える茶室があり、躙り口まで備わり庭園には茅葺の茶室もあった。
泊った部屋は書院付の立派な大きな部屋と控えの間が付いていた。書院の彫刻欄間も立派だったが、1mを超す彫りものされた象牙の置物、大きな焼物には作者の名前が書かれた表示板が置かれていた。
泊った部屋以外にも書院付の床の間や欄間、襖、障子、階段手摺などの意匠は素晴らしいものだった。
若いご主人と話す機会があり、聞いたところ高齢のご主人(父親)は創業から6代目か7代目かは不明だとのこと。立派な建物の旅館ですねと切り出すと、登録有形文化財に申請することを迷っているとの話だった。
そこそこ多くの宿泊者が居られたが、夕食が無く朝食のみだったのは、チョット意外な宿泊だった。
(2018.9.27宿泊)


泊った部屋

泊った部屋

泊った部屋

泊った部屋

本館入口の階段

本館の部屋

別館の前景

別館入口

別館の茶室(涼翠庵)

別館の客室

別館の階段

別館の客室

別館の客室

別館の便所の天井
 
茶室涼翠庵の躙り口(中央下)
 
茶室涼翠庵の入口

茶室涼翠庵からみた庭園内の茅葺茶室

茶室涼翠庵から見た庭園

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