伊香保温泉
横手館
群馬県渋川市伊香保町伊香保11
電話 0279-72-3244

横手館の正面

横手館正面の夕景

横手館の入口

  石段の旅館街として名が知られている伊香保温泉は、二ッ岳の北東斜面に発達した温泉街である。伊香保神社下から続く365段の石段の両側に温泉旅館・みやげ物屋やスナックなどの飲食店が並んでいる。
明治10年頃は家数127軒・人数530人で、温泉客を泊める宿と雑商を営むかたわら農耕に従事するものが殆どで、横手館も明治中期まで伊香保の石段街上段でたばこ屋を営んでいたと言われる。
創業は宝永年間(1704~1710)と云われ、温泉宿や雑貨屋・農業を営んでいたが、明治44年に現在地に移転し、旅館業を営んでいた。しかし、大正9年の旅館街を襲った大火で焼失してしまったが、同年東棟を、翌10年西棟を建築(3・4階は昭和初年に増築)し、その後も増改築されていますが、今も往時の木造建築の趣を伝えていて、その奥に鉄筋コンクリート造りの別館常磐苑がある。
さて、泊ったのは西本館の2階で、玄関入口が見下ろせる部屋、一番改造が少なく古い伝統的な様式の残る部屋との希望を叶えてもらったもの。
相当の古さを期待して訪ねたのだが、改造の少ない西棟の部屋と言えど、今の宿泊客に対応できるように改造がなされているので、余り古さを感じないのが少し残念。でも古い伝統的な様式と、現代の近代的な設備の調和を考えると仕方ないことかと変な所で納得。2面に縁側が備わった角部屋で二間続きの部屋
だった。館内を歩いても余り古い様式が見られず、随分今風に改造が進んでいると思った。
この伊香保温泉の源泉は「黄金の湯」であるが湯量が少なく、平成8年に開発された「白銀の湯」も湯量が少ないので、僅かな源泉を分け合っての温泉故、各旅館温泉を大事に使用されているようだった。
今、石段の温泉街を歩くと、決して古い建物が並んでいる訳でないが、ここには懐かしい温泉場と言うイメージが湧いてくる。大きなホテル形式の旅館は石段街から離れた位置に自動車が通れる道に面して建っているため、結果的に昔からのメイン道路の石段道が取り残された格好になり、みやげ物屋、飲食店、スナック、名物の「湯の花まんじゅう」屋さん、勿論古い形式の旅館などが石段の両側に並んだ町並みが残ったのである。そして階段道から脇道に外れると、太平洋戦争後、歓楽街として賑わった当時の様相が色濃く残っていた。
(宿泊日 2018.06.09)


泊まった部屋

泊まった部屋

泊まった隣の部屋

本館正面の階段

本館の階段

本館正面2階からの見る

折鶴の湯

泊まった部屋から見た夜の正面

横手館の西館(奥)・手前は東館

入口部分

正面夜景

正面2階からみた風景
 
泊まった部屋の欄間
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