勝山市
板甚旅館
福井県勝山市本町2丁目5-14
電話 0779-88-0020

板甚旅館の前面

夕景

玄関入口

  江戸初期にはもう勝山城下には勝山三町があり、町場が形成されていた。江戸中期から栄えた「たばこ産業」が明治37年の煙草専売法で廃れ、代わって機業が発達し今に至っている。
古い伝統的建物が建つ町並は本町通りに展開する。袖壁を備え、板葺き屋根の名残か勾配の緩い屋根に桟瓦がのっている。中には出桁造りの家屋があったり、本卯建を揚げた家屋もある。
そんな中に400年の歴史を持つと云われている老舗旅館「板甚旅館」がある。切妻造り平入2階建ての主屋の奥の別棟には客室が並び、その奥に2階建ての藏座敷が控えていた。そして奥を一旦外に出て見ると武家屋敷を移築改修した建物があり、食事場所となっていて、その奥には武家屋敷の門がある。この門は本町通りの一本西の九頭竜川側の道路に面して建てられていた。
「板甚旅館」は創業400年といわれています。江戸中期、六代目松村巴文の頃から「いたや」という屋号で旅籠業がはじまった模様で、初代松村甚七以来今の当主で13代目と云います。
奥の藏座敷の建物が「国の登録有形文化財」に指定されていた。少人数の宿泊客はこの蔵座敷での食事になるようでした。窓や入口には防火扉を備え、盗難に備えての窓に鉄の格子も備わっていた。床の間の壁に黒漆喰が塗られていたのは珍しいと思う。藏座敷の建ったのは昭和8年だそうです。街道に面した主屋は明治29年の建築ですが、何度も改造が繰り返されています。
昔からの旅籠宿は間口は狭いが、奥行きは広いということがそのまま当てはまる旅館であった。
この旅館の看板料理が「小笠原宗家殿様料理」と云われるもので、200年程前の記録に基づいて再現したものだそうですが、食する機会がありませんでした。
接客などはご主人がされていて、女将はおもに料理をされているようでした。
(2015.6.6宿泊)

泊った部屋

中庭

蔵座敷(登録有形文化財)の間で食事した

蔵座敷の屏風

蔵座敷の天井

蔵座敷の窓、窓の外には鉄製の防火扉がある

蔵座敷の入口には、頑丈な鉄製の防火扉があった。

旅館の奥には武家屋敷を移築したという家と門が。
人数のの多い場合には食事場所になる。

板甚旅館付近の夕景

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