南砺市井波
東山荘
富山県南砺市井波3043
電話 0763-82-1013

東山荘前景

東山荘の夕景

東山荘の入口

  屋敷林(かいにゅう)に囲まれた農家が散在する砺波平野の散居村の風景は独特だ。南砺市井波はそんな砺波平野の南の端、これから八乙女山にかかるという山麓に広がる、信仰と木彫りの里として知られているのどかな町だ。
井波彫刻の歴史は瑞泉寺の歴史でもあった。加賀初代藩主前田利家の勧めで瑞泉寺8代准秀が瑞泉寺復興に乗り出し、万治3年(1660)本堂が再建された。その時の堂棟建築の技法が井波彫刻の始まりと言われている。
井波彫刻の今日の隆盛の始まりは、明治44年から大正7年までの井波彫刻の粋を集めて建てられた太子堂再建からである。
瑞泉寺の山門から続く石畳のゆるやかな坂道の両側には、民芸品や木彫りの店などの古い伝統的な町家が連なる。どの民家も大型の商家で切り妻造り、中2階建、平入り、1階は千本格子、2階は白壁の真壁造り、袖壁、桟瓦葺、軒庇は板葺などであった。木彫の店が多くあり、木を刻むノミの音が、あちこちから聞こえてくる。店の表で大きなクスの木に、ものも言わずに彫物をされている姿は緊張感がみなぎっていた。
東山荘は瑞泉寺山門の前で店を構えていた。建物は昭和初期の建物だが、創業は元禄(1688~1704)時代に遡るという。女将に案内され通された部屋は頼んでいた通りの瑞泉寺山門の見える2階の部屋だった。
旅館の建物は小さな中庭を中心にして、周りを囲んで2階建ての建物が建っている。正面から見て左側(土蔵側)が主として、住宅として利用されている部分の様だった。
室内には木製の彫刻が収まった額が揚がっていてた。案内して頂いた女将に頼んで、他の部屋も見せて頂いた。書院の付いた床の間がどの部屋にも備わっていた。
それよりどの部屋の欄間にも、木製の彫刻が備わり、この部屋は近江八景の彫刻が……と欄間の説明を受けた。
そして、建て替え以前の建物に備わっていたであろう、欄間彫刻も展示されていたり、玄関には木製の板に彫刻された衝立が置かれていた。名前も書かれていたが、女将によると有名な彫刻家だそうで、もう随分前に亡くなられたようだ。玄関の天井には屋久杉が何気なしに使われていて、女将に云うと、そうですよと澄まして応えられていた。
(2016.3.3宿泊)

泊った部屋

泊った部屋の額(木製の彫刻が) 

別の部屋

別の部屋

別の部屋

欄間の彫刻 近江八景

欄間の彫刻 近江八景

欄間の彫刻

泊った部屋から見た瑞泉寺山門

衝立の彫刻 有名な彫刻家が彫ったと女将が!!

玄関入口の天井 屋久杉の天井

替え前の建物の欄間彫刻(明治初期の井波欄間)

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