四万温泉
積善館本館
群馬県中之条町四万温泉
電話 0279-64-2101

積善館本館の入口部分

本館入口部分の夕景。工事用の足場とシートが邪魔です

本館の入口フロント部分、電話室も健在だった

  群馬県の北西部、JR中之条駅から北西方向へバスに揺られて約40分で四万温泉に着く。名作アニメ「千と千尋の神隠し」のモデルになった場所としても有名で、古くから高い人気を誇った温泉である。
昭和29年に国民保養温泉地に、青森県の酸ヶ湯温泉、日光湯元温泉、そして四万温泉がともに指定されて以来、人気の温泉地として多くの方々に愛用されている温泉地である。
そんな四万温泉の中に、元禄4年(1691)に建てられた国内最古の木造湯宿の積善館がある。群馬県の重要文化財に指定された「積善館本館」や登録有形文化財に指定された「山荘」を持つ、湯治宿の面影を残した旅館である。「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋「油屋」のモデルになったことでも有名で、アニメフアンが多く訪ねているようである。
本館フロントで鍵を頂き、館内地図を頼りに迷いながら宿泊する部屋に辿り着いた。部屋は頼んでいた通り赤い橋が見える本館3階の部屋。予約時に屋根修理のため足場が組まれていますと知らされていたが、やはり建物の景観は足場が邪魔。
開業当初の湯治宿の名残は玄関棟の各所に残っている。交通網が発達することによって、湯治客が増えるにつれて増築を繰り返し、今のように山の傾斜に沿って上に上にと建物が増えて行った。
明治10年代の積善館の写真が残っている。本館は2階建てであるが明治30年頃に3階建てに増築され、書院風の座敷を持つ部屋ができたようだ。本館入口の構造材はチョンガで削られた跡がくっきりと残っている。
本館の奥の山の傾斜に、昭和11年に建てられ、国の登録有形文化財に指定されている「山荘」も、湯治宿の雰囲気を残しながらも、桃山様式造りを取り入れた建物には匠の技の数々が施されている。
積善館を代表する「元禄の湯」は昭和5年に造られ、当時としては贅沢な造りで、洋風・モダンなホールのように造られ、独特のタイル張の床に5つの石作の浴槽が並んでいる。アーチ形の大きな窓もモダンで、浴室というよりもモダンなホールのような感じであった。
今は19代目の当主で、社長の説明による本館歴史ツアーが行われていた。所要時間は50分程で20分間程はビデオでの説明で、後は本館の玄関・客室・歴史資料館(旧帳場・上段の間)・山荘に続くトンネル・元禄の湯などの説明だった。
本館・山荘・佳松亭と三つの宿泊施設(客室数約60)からなる「積善館」当日の宿泊客は何人か知らないが、本館に泊ったのは約40名で、本館歴史ツアーに参加されたのは18名だった。
「元禄の湯」の建物の2階3階と川を隔てて木造3階建ての建物があり、川に橋が架かり廊下で繋がっている。社長の説明でも無かったし、従業員に聞いても古いので客室として使ってないとのことだったが、古いようだが立派な建物であり、夜間は照明が点けられていて、見事な夜景を演出していた。
(2016.10.18宿泊)

本館3階の泊まった部屋

本館歴史ツアーの見学用の部屋

本館2階の廊下

泊った部屋から見た外の景色、川の対岸の建物も積善館

本館入口部分の夕景

本館建物の夜景、一階は「元禄の湯」 川の対岸にある建物への渡り廊下

本館の夜景

泊った部屋から見た夜景
 
積善館を代表する「元禄の湯」
 
本館の階段

本館の階段 
 
本館歴史ツアーのビデオ説明と見学用の部屋
 
積善館山荘の廊下
 
本館のかっての帳場 火鉢は百日紅の木
 
明治10年代の積善館の写真
 
積善館本館2階の廊下
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