中之条町沢渡温泉 | ||
まるほん旅館 | ||
群馬県中之条町上沢渡2301 電話 0494-23-2641 |
まるほん旅館の前景 |
まるほん旅館の夕景 |
まるほん旅館の入口 |
沢渡温泉は草津温泉で湯治を終え、その強酸性の湯に肌を痛めた湯治客が、沢渡温泉でその肌を癒したとされ、”草津の治し湯・仕上げ湯”とも云われている古くからの湯治場である。 JR吾妻線中之条駅から関越交通の路線バスでやって来たのだが、その路線バスはマイクロバスより更に小さい、大型タクシーのような定員8名の自動車だった。それも25分程走る長距離にも拘らず、乗車時に100円支払うのみ。往きは3名の乗車で出発したが、翌日の帰りは最後まで一人の乗車だった。自治体の中之条町が負担しているのだろうが、町内の交通の確保は大変な負担になっているのが判ります。 沢渡温泉の旅館は昭和20年の大火で、温泉街は壊滅したので、この「まるほん旅館」もその後の建築と思われ、建物の古さは感じられませんが、江戸時代から続く木賃宿だったそうです。 バス停から歩いて2分程、大きな「日本秘湯を守る会」の提灯が迎えてくれる。改装を重ねられているようで、館内も通された2階の部屋も古さを感じられないし、部屋にトイレまで備わっている。歴史では創業が元禄時代まで遡る古い伝統ある旅館だが、私にとっては現代的過ぎて不満の残る宿泊と思った。 現代のご主人は16代目と云うことだが、旧は銀行員だったそうだ。先代から跡継がいないので、旅館を閉めようと思うと云われ、ならばと脱サラをして、養子に入り老舗旅館の16代目として奮闘されている異色の経歴をもつ若い経営者である。 この旅館の売りは何をおいても柔らかな感じの温泉である。源泉地は旅館の隣にあり、湧き出したばかりの新鮮な温泉が、そのまま直接湯船に注がれています。そして何よりも良いと思ったのは温泉までの道のりである。玄関のフロアーから食堂の横を通って、木製の階段を降り公道の上に掛かる渡り廊下を渡って扉を開けると広い湯小屋内部が視界の下に現れる。これも驚きだが、更に湯小屋の中央に大きな階段があり、それを降りた所の両側に脱衣箱が、その横に大きな湯船がある。この湯小屋は湯船の底のモザイクタイル以外は全て檜造りであり、木肌の温もりが感じられる見事なものである。 渡り廊下を渡っているときに、温泉に入っている人の声がよく聞こえる。この旅館の温泉では無さそうと思っていたら、「まるほん旅館」の隣の「共同浴場」と「まるほん旅館」の湯小屋が接して建っているためと判り納得。そして源泉の傍に「まるほん旅館」の湯小屋が建っているのも納得。 湯船でのんびり温泉に浸かっていると、足元に白いひらひらしたものが沈んでいる。湯の花だ。平たく細長くてまるで湯葉のようだった。 このまるほん旅館は「日本秘湯を守る会」の参加旅館で、日々、柔らかな温泉を守るために奮闘されている。「一浴玉の肌源泉かけ流し沢渡の湯」との宣伝文句を謳っておられるのが、そのままで誇張されていないのが実感できる温泉だった。 温泉は最高だったが、建物や意匠が思っていたよりも新しかったのが、私にとってはチョット不満の宿泊だった。 (2018.5.9宿泊) |
泊った部屋 |
泊った部屋 |
別の部屋 |
別の部屋 |
温泉への道 |
檜造りの風呂内部 |
檜造りの風呂内部 |
食堂横の廊下 |
沢渡温泉共同浴場(手前)とまるほん旅館(右奥) |
右手前の茶色の屋根はまるほん旅館の湯小屋、左側の茶色の屋根は渡り廊下、奥の黒い屋根は共同浴場 |
風呂の様子 |