那須温泉郷
北温泉旅館
栃木県那須郡那須町151
電話 0287-76-2008

北温泉旅館の前景

北温泉旅館の夕景

入口部分を内側から見る

 那須温泉郷は栃木県の最北端にあって福島県と接している。北温泉旅館は那須温泉郷の中でも三斗小屋温泉と並んで秘湯度が高い北温泉の一軒宿である。明治以前は那須七湯といい、鹿の湯・板室・三斗小屋・大丸・北・弁天・高雄があった。その後温泉が増え12湯と呼ばれた時もあったが、今は那須八湯で、那須湯本温泉(鹿の湯)・三斗小屋・大丸・北・弁天・高雄・八幡・新那須温泉がある。
県道17号線を北上すると、新那須温泉・那須湯本温泉・高雄温泉・八幡温泉・弁天温泉と続き、大丸温泉・北温泉がある。駐車場に車を置いて、谷底に向かって坂道を下り宿の向かうこと400m(約7~8分)で、古い木造の北温泉旅館の建物が見えてくる。玄関入口を入る前に右側にプールがみえる。温泉プールで夫婦と思われる男女が水着を付けて入浴されていた。
北温泉旅館の創業は江戸末期の安政5年(1858)で、その頃に建てられた江戸期の建物と、他に明治期の建物・昭和期の建物が宿泊棟になっている。今は創業時より数えて8代目で女将が頑張って居られた。
入口を入るとロビー部分になるが、年代物の家具や調度品がところ狭しと置かれている。案内を願ったのは男性で、ご主人??と聞くと従業員と答えられたが、支配人らしい男性だった。通された部屋は頼んでいた通り江戸期建物の部屋の松の間で、入口の丁度上の階だった。簡素な部屋で、装飾らしきものは何も無く、湯治場の宿そのものと思われる6畳の部屋であった。
館内は薄暗く、黒光する細い廊下や階段、柱や梁・天井が古い歴史を醸し出し、歴史を感じる民芸品などが、廊下やチョットした空間に無造作に展示されている。気取った雰囲気が無く、古いものを適当に置きましたと云う感じや、歩くとミシミシと音がする廊下や階段は、訪ねた人の心の安らぎや癒し効果は抜群であると思った。
北温泉旅館の名物の「天狗の湯」にはランプがぶらさがり大きな天狗の面3面とともにいい雰囲気を醸し出していた。「温泉プール」「天狗の湯」の他に「河原の湯」「打たせ湯」「ぬる湯」、そして女性専用の「芽の湯」等多くの温泉があるが、何処も豊富な湯量を利用してドバドバと垂れ流しで豪快な温泉であった。
「天狗の湯」の窓の外に豪快に流れ込む温泉を調節するところがある。見るとその辺にある石と、適当な板で流れを調節しているだけのもの。湯量が多いからできる荒業であると感心した。
館内には神社があったり、観音像が置かれていたりと不思議な旅館ですが、大昔に北温泉が「岐多の湯川」(きたのゆぜん)と言われ、神仏の集まる所と考えられていたために多くの仏像などが置かれているようです。
食事は地下廊下で繋がる別の棟の食事場所で頂きますが、近年、旧庄屋の家屋を移築したものだそうで、立派な造作が施された建物だった。
私は一人旅ですが、食事場所の隣に座られたのがやはり一人旅の60歳位の女性で、天狗の湯には何時も夜中の2時~3時頃に入ると云っておられた。天狗の湯は男性専用時間が設けられているがそれ以外は男女混浴になっているようで、やはり女性一人で入るのは勇気が要ると。その方はもう4泊目でもう一泊してから帰ると仰っておられた。
(2018.6.10宿泊)
 
泊った部屋(松の間)

明治期の建物の竹の間

昭和期の建物の梅の間

入口部分の奥のロビー

館内廊下階段

ロビー横に温泉の神様が祀られているた

階段

天狗の湯へと続く廊下

食事場所の亀の間の前

食事場所の亀の間への通路

フロント前から入口を見ると

天狗の湯

昼の温泉プール

夜の温泉プール

河原の湯

食事場所の亀の間(旧庄屋の移築建物)

亀の間の大広間(旧庄屋の移築建物)

食事場所と大広間(旧庄屋の移築建物)

洪水で流される前の北温泉旅館、ダムが出来てない。
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