香取市
佐原
木の下旅館
千葉県香取市佐原イ498
電話 0478-52-2814

木の下旅館の正面

木の下旅館の夕景
 
木の下旅館の玄関入口 

  「お江戸見たけりゃ佐原へ御座れ、佐原本町 江戸勝り」と唄われほど繁栄し、「利根川図志」には「下利根付第一繁昌の地なり」と紹介されるなど、利根川水運を利用してこの地が栄えていた。
佐原は江戸期、農業生産の活発化した近郷農家を後背地とする商業地として、また、利根川水運による年貢米の集散地、また東北地方の物資輸送の中継地として繁栄していった。
そして香取街道(銚子道)と小野川沿いに町並が形成され、今も往時の町並が残っている。
多くは明治25年の大火後に建築された建物で、出桁造りや店蔵と呼ばれる土蔵造りの規模の大きな商家の建物が連なり、小野川には「だし」と呼ばれる石段が残り、船荷の積み下ろしが行われていた頃が偲ばれる。
「木の下旅館」は、利根川と繋がる小野川に沿って建ち並ぶ、昔ながらの家並の中の一軒で元は船宿だった。創業は明治34年とあり、その時に建てられた家屋が現在の建物。
玄関入口脇にある急な階段、懐かしい電話ボックスには電話四一四とあり、玄関脇に2箱と2階廊下にも一箱の手榴弾消火器が備わっている。
表の主屋から奥の客室に続く廊下には見事な桁材が。20メートルはあろうかと思われる見事なものであった。主屋2階客室から前を流れる小野川をみると、柳が風情を添えている。
建物内部は今の時代に合わせて、急な階段には手摺が、窓にはサッシュが、トイレはウオッシュレット、部屋にはエアコンがと改装されているが、玄関部分の梁の骨組や建物各所の構造物、床の間、格子、防火用水など、古いものを残そうという意識が強い旅館経営は立派なものと思う。
そのためだろうが、映画撮影・テレビ取材やインタビューなど多くのメディア取材を受けているようだった。
旅館の間口は割に狭いが奥行きが長く、非常口は裏の通りに設けられていた。
今、年配の夫婦で経営されていて、宿泊した時の宿泊客は私一人だったので、朝食はできるが、夕食は外で食べて欲しいとのことだった。
(2015.5.24宿泊)

通りに面した2階の部屋の縁側

泊った部屋から見た前の風景

宿泊した部屋

玄関と2階廊下にはこのような手榴弾消火器が備わっている

玄関部分から2階への階段、右側には電話ボックスが残っている

宿泊した部屋

20mもあろかと思われる見事な桁が通っていた。

階段部分、以前は手摺が無かったが、行政の指導で手摺を付けたとのこと

泊った部屋の床柱、手の込んだ加工が施されていた。

旅籠宿に泊る東日本に戻る