高山市
旅館かみなか
岐阜県高山市花岡町1-5
電話 0577-32-0451

旅館かみなかの前景

夕景

玄関入口

  高山は近世幕府直轄の天領陣屋町として発展した。今の三町筋から大新町、宮川にそった本町筋辺りで、多くの商人の住む町で、高山の発展をささえた商家の建物が軒を連ねていた。
そして、この辺りは今でも一大観光地高山の中心として、古い伝統的な商家建物が軒を連ねて観光客を迎えている。
 そして今回宿泊した花岡町の「旅館かみなか」は明治21年に建てられた花街の伝統的な建物として、国の登録有形文化財に指定されている現役の旅館である。
宿泊を依頼した日は「お休み」と言われたが、夕食無しなら「OK」とのことで、何時も通りに道沿いの部屋をお願いした。女将に案内された部屋の入口には格子戸が備わった一軒家の玄関のような造りで驚いた。女将の説明によると、この建物は料理屋(遊郭)として明治21年に先代によって建てたれ、今で4代目だそうです。最盛期には国分寺通りから北の道までの約200m程の間に13軒の料理屋(遊郭)があったそうで、高山の豪商たちが遊んだ料亭や料理屋が並んでいた通りだったのでしょう。
先日「旅館かみなか」の前の料理屋(遊郭)の建物が取り壊され、建物として残っているのは「旅館かみなか」のみになってしまったと云われ、前を見ると取り壊した後の土地が整地もされないでそのまま残っていました。
初めは「旅館かみなか」の北側のみに料理屋(遊郭)があったのですが、段々広がり国分寺通りまで広がったそうです。旧料理屋(遊郭)建物は「旅館かみなか」のみになったが、料理屋(遊郭)建物を建て替えて旅館を経営されているのが「いろは旅館」でなんとか2軒が今に残っていると女将の話だった。
到着した時と他の宿泊客がチェックアウトした後に、女将に頼んで館内を案内してもらった。写真で見られるような立派な造りの客室であり、部屋から見える庭の紅葉にも感動した。
旅館は古い建物であり、改装などでアルミサッシを使われているのが一般的であるが、この「旅館かみなか」では風呂や洗面所・トイレ以外は古い木製のガラス戸のままで、それも像がユラユラとする古いガラス戸のままであるのには驚いた。建物の構造体がシッカリとしていて狂いが無いのでできる仕業とこれも感心。
旅館を切り盛りされているのは、4代目の当主・女将と5代目の息子さんのようで、朝には多くの従業員が布団の上げ下ろしや食事の世話をされていた。私の宿泊当日の宿泊客はハッキリと判らないが10名程だったと思われます。
旅館に着いた時から、女将にはいろいろと厄介をかけました。表の部屋の電気を点けてと頼んだり、他の部屋を見せてと頼んだり、この旅館の歴史から遊郭の話まで、忙しい時間を割いて説明を願ったりと、それにもかかわらず、快く対応を願いましたことを感謝致します。その上おまけに傘まで忘れて、送って頂いたこと感謝申し上げます。
古い旅館を泊まり歩いていますが、この「旅館かみなか」の女将ほど気配りや・ご配慮を願ったのは無かったのではないかと思います。重ねて快適に宿泊でたこと御礼申し上げます。
(2016.11.8宿泊)

泊った部屋

泊った部屋の天井

泊った部屋の前の廊下、凄い部屋の入口ですね

朝食を頂いた部屋

朝食を頂いた部屋から見た庭

角部屋の部屋 この部屋が一番よい部屋でしょう

上の部屋から見た紅葉

別の部屋

上の部屋から見た紅葉

夕方の玄関前

旅館内の廊下 ガラス戸が古いもので、ガラス越しに景色がユラユラと

玄関棟の2階から見た入口、女将さん(頭のみ)がお客さんと対応されていた

客室は勿論、廊下の各所に活け花が飾られていた
 
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