群馬県
神流町
今井屋旅館
群馬県神流町万場25
電話 0274-57-2006

今井屋旅館前景

今井屋旅館夕景

今井屋旅館入口

 今井屋旅館のある神流町万場は群馬県の南西部、東流する神流川の左岸に位置し、極めて急峻な地形が連続する中で、僅かな平坦地に万場集落の町並があり、その中心部辺りに今井屋旅館はあった。
創業350年というから江戸初期から旅人を泊めていたのだろう。上野国から信濃国に向かう中山道の脇道として、十石峠を越える十石街道が旅人に利用されていたのだろう。1・6の日の六斎市も開かれ宿場としても機能していた模様。
今井屋旅館の現在の建物も築後100年以上経つというから、明治25年にあった大火の後に建てられたもののようだ。
予約時に街道に沿った部屋にするか、奥の部屋に泊るかと随分迷ったが、奥の部屋を選んだ。通されたのは頼んでいた通り、街道に面した棟の奥側の一階の部屋。障子を開け椅子の置かれた縁側のカーテンを開けると広い土のままの広場が広がる、その一部に灯篭が立っていて樹木も不自然に残っている。少し前までは庭に面した一番良い部屋と思われる部屋だったのだろう。
建物も築後100年経過するというから、それなりに古いのだろうが、廊下・階段以外は改装が進みあまり古さが感じられない。せめて入口の天井などは古く黒くなった構造材を露出したままにして欲しかった。
食事を頂いたのは玄関入口横の食事部屋で、この部屋の天井のみ構造材が露出していたが、黒くなった構造材の黒色を除くために苦労されたのだろう、漂白剤などで磨かれたのが判りましたが、私から見れば黒いままにして置いて欲しかったものだ。
苦情のようになってしまいましたが、決して苦情を言っているのではなく、古さを探しに泊っていますので、現代の旅館はこうあるべきと思われる方の見る目と違うだけで、新しい近代的な旅館にはない落ち着いた風情が楽しめる旅館に違いなく、17時間程の滞在時間を十分楽しむことができました。
翌朝、旅館の横を通ってズンズン奥に進むと神流川の川岸に着いた。驚いたことに街道に面した間口以上の広さで神流川まで全て旅館の所有地のようで、川辺にバーベキューのできる設備が完備されていて、50人位ならバーベキューを楽しめそうだった。女将に尋ねると、以前は学校の先生が生徒を連れてバーベキューをされたが、今は学校でなく民間のクラブ単位の団体(野球・サッカー・柔道・水泳など)の小中学生が利用してくれると仰っていました。
対応して頂いたのは10代目という若女将で、ご主人も見かけたが、料理を造って居られるのだろうか聞き忘れた。
チョット書き忘れたが、泊った部屋の外側の庭が取り壊されていたことは、奥の神流川の川辺で行われるバーベキューと関係がありそうで、広場があり、畑がありと、駐車スペースありと、林間学校やキャンプにも利用するために取り壊されたままになっているようだった。
(2019.7.9宿泊)

泊まった部屋

街道に沿った3階の別の部屋

街道に面した3階の部屋からの眺め

別の部屋 3階の角部屋

別の部屋

入口の旧電話室と階段 電話室の中に番号を交換手に伝える電話機がそのまま残されていた。

玄関を内側から見ると

階段と廊下

食事した部屋

食事した部屋

今井屋旅館前の夜景

廊下と階段

廊下と階段

入口の夕景

階段の意匠

階段

入口ロビーにある時計

入口ロビーにある音響機器

泊まった部屋にあった床の間の意匠

江戸期の先代

電話室内(本物がそのまま設置されていた)

旅館の奥にあるバーベキュー場所
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