郡上市八幡町
料理旅館備前屋
岐阜県郡上市八幡町柳町264
電話 0575-65-2068

備前屋の前景

備前屋前景の夕景

備前屋の入口

  郡上市八幡町は「郡上踊り」と「清流の流れる城下町」として知られている。
戦国時代の末期に八幡城が築かれてからは、奥美濃中核の城下町として発展してきた。
柳町や職人町・鍛冶屋町には古い町並みが残っているが、郡上市八幡町の町並みは大正8年の大火の後で建てられたものが殆どで、袖壁の切り妻造り、二階建て、平入り、一部紅殻格子の民家で、間口が3間から3間半のこじんまりした家である。
町中いたるところに湧き水や冷泉が湧き出している。全国名水百選の一番手に選ばれた宗祇水もあり、泉がこんこんと湧いている。
夏の夜を彩る有名な「郡上踊り」は8月13日~16日の徹夜踊りがクライマックスで、大勢の観光客で賑わう。
郡上市八幡町で一番古いと云われている「備前屋」は明治年間創業で、江戸期の藩校「潜竜館」跡に建てられ、今に料理旅館備前屋として伝統を受け継いでいる。通りに面して妻を見せた棟は奥に続く、入口は棟の右側(山側)で、綺麗に手入れされた庭を通って玄関入口がある。
案内されたのは旅館入口から右に廊下を進んだ突き当りの部屋だった。雪見障子と廊下越しに整備された庭が見える部屋。廊下の端には樹の大きな瘤の置物が2段になって飾られていた。部屋の裏側にはトイレがあるが、そのトイレにも大きな樹の瘤の置物が飾られているのには驚いた。
案内して頂いたのは従業員という女性。他の部屋も見せてと頼むと、空いている部屋と宴会に使用する部屋を見せてくれた。その時2階の廊下に一枚ものの見事な木が使用されているのを見た。栃の木だとの話だが、幅は1m20~30cm・長さは4m程あると思われるものが4枚ほど使われている見事な廊下だった。玄関にも同じ栃の木の板が使われていたが、2階廊下のものに比べて小振りのものだった。
翌朝、6代目女将と話ができる機会があり、この建物は大正8年の大火後に建てられたものを補修しながら使っていると。料理を売り物にした旅館で、宴会に力を入れているとのことだったが、宿泊者にも人気があり、当日の宿泊客は7名に「離れ」のお客??で約10名程だった。料理に力を入れているという言葉通りの料理だったと思う。
設備も時代に合わせた改造が為されていて快適に宿泊でき、6代目女将の子どもさんの折った折紙製の爪楊枝入れも料理に花を添えていて微笑ましく思った宿泊だった。
(2017.8.28宿泊)

泊まった部屋

泊まった部屋の前の廊下、樹の瘤の模様になったものが置かれていた

泊まった部屋の前の庭

宴会などが行われる大広間

宴会などが行われる大広間

別の部屋

2階の廊下、栃の木の一枚物、見事であった

階段

一階の廊下

備前屋入口の門から見た玄関部分

玄関部分と庭、写真の右側に離の客室がある

玄関入口部分

藩校 潜竜館の跡に備前屋が建っている
 
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